老眼初心者による本や映画の話

あまり読まない本とあまり見ない映画の話

本『棋士という人生』

 最近読んだ本から。
 大崎善生編『棋士という人生』についてメモ。
 私は連盟の道場でアマ四段程度の腕前です。ただ、クラブ活動で将棋をきちんとやったのは中2〜高1の三年間くらい。高校1年のときに団体戦で全国大会に出ましたが、それっきり熱心に指さなくなりました。
 この本には、私が中学時代に全盛期であった中原、米長、まだタイトルに挑戦していた大山、内藤、加藤一二三らの名前が出てきます。山田道美は故人でした。
 編者の大崎氏は「将棋世界」編集長をつとめ、ご存じのとおり、村山聖の生涯を書いた『聖の青春』で作家デビューします。ちなみに私は広島だったので、村山聖(故人)とも指したことがあります。彼が奨励会に入る直前のこと。もちろんふっとばされましたが。
 この本にも、夭逝した村山や挫折した奨励会員を書いてきた大崎氏の「好み」が見える気がします。具体的にいえば、将棋に命を賭けた棋士の話が多いという印象です。
 高柳敏夫が弟子・芹沢博文について書いた文章が痛々しい。強かったのに酒に溺れて将棋に対する情熱を失い、テレビタレントとして活躍しつつ、エッセイなどで他の棋士の怒りを買ったまま肝不全で死んでしまった芹沢の心境を高柳が代弁しています。(「芹澤博文の死」)
 全体に面白かったけど、アンソロジーとしてはややまとまりに欠いた印象もあります。小林秀雄と村上春樹のエッセイが浮いていたりする。もっとも浮いているのは「編者あとがき」ですけどね。これは読まないほうがよかった。

棋士という人生: 傑作将棋アンソロジー (新潮文庫)

棋士という人生: 傑作将棋アンソロジー (新潮文庫)